今回ご相談いただいたのは、学校内の事務室に残留するタバコ臭です。
長年、喫煙習慣のある先生が使用されていた部屋で、ご依頼前に「壁・エアコン清掃」「床面ワックス剥離」まで実施されたにもかかわらず、使用に支障が出るレベルで臭気が残るとのことでした。
臭気は「見える汚れ」よりも厄介です。表面をきれいにしても、臭い成分が建材表層・微細凹凸・隙間に残留していると、室温上昇や湿度変化で再放散し、ニオイが戻ったように感じます。今回もまさにその典型例でした。
壁はモルタル塗装、天井はトラバーチン模様の化粧石膏ボード。
清掃自体は行き届いていましたが、ロッカー等の家財が置かれていた箇所と、露出していた箇所でヤニ由来の付着差(色の差)が目視で判別できる状態でした。これは、臭気成分が室内全体に広く定着しているサインであり、部分処置では改善しにくい状況です。
また、住居の壁紙のように「剥離撤去(壁紙をめくって原因物を除去)」が取りにくい仕様のため、今回は“付着物の化学的分解+物理的除去”を軸に工程を組み立てました。
タバコ臭は、空気中の臭いだけでなく、ヤニ成分が“臭いの貯蔵庫”として表面に残ることが大きな問題です。
したがって、今回の主戦略は以下の二段構えです。
1. 強アルカリ薬剤による壁・天井の洗浄で、付着起因物質を除去する
2. タバコ臭専用消臭剤+オゾン処理で、残存臭気を分解・再放散を抑制する
「市販洗剤で拭いたが取れない」というケースは珍しくありません。洗剤の性状・pH・界面活性・溶解性が合っていないと、ヤニ汚れ(=臭気起因物質)が十分に動かず、結果として臭いだけが残ります。
1)壁・天井の洗浄(臭気の根っこを落とす工程)
モルタル塗装および石膏ボードの仕様に合わせ、強アルカリ薬剤を用いて壁・天井を入念に洗浄しました。
お客様が驚かれたのは、拭き上げ後のタオルに付着した汚れです。見た目に「清掃済み」でも、臭気の原因物は目に見えない層として残っていることが多く、ここを落とさずに脱臭工程へ進むと効果が伸びません。
2)専用消臭剤の噴霧
洗浄後、タバコ臭専用の消臭液を噴霧し、臭気成分に対して反応・吸着が進む状態を整えます。
3)オゾン脱臭(濃度管理を前提とした処理)
室内が広いため、大型オゾン発生器を使用。さらに、オゾンが室内全体へ循環するよう送風ファンを設置しました。
オゾン処理は「強ければ良い」ではありません。素材負荷や安全性、効果の安定性の観点から、臭気測定器を用いて濃度を管理し、上げすぎない運用で実施しています。
工程としては、消臭液の噴霧とオゾン脱臭を複数回繰り返し、残存臭気の低減を詰めていき、作業完了としました。
後日、お客様より「効果を実感でき、依頼して本当に良かった」とのご連絡をいただきました。
タバコ臭は、室内条件(温度・湿度・換気状況)で再放散しやすい臭気です。今回のように、洗浄で原因物を落とし切ったうえで、薬剤+オゾンを適切に組み合わせることで、体感の改善につながります。

※ 家財道具の搬出・処分代は含まれていません。
サイトで掲載されている画像・文章・デザイン等は、著作権法により無断使用を固くお断りします。
Copyright © All Rights Reserved. Shoshu pro